歴史を動かしたのは…なに?

『銃・病原菌・鉄』おどろおどろしいタイトルである。銃に、病原菌に、鉄。タイトルからは少し想像しにくいが、これは人類の歴史についての本である。

世界史の基本的な知識があれば十分に楽しめる本であり、内容も平易である。

「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」
冒頭で示される、著者がニューギニアで研究をしていた時に現地の住民から投げかけられた問いである。

著者のジャレド・ダイアモンドはこの問いに答えるべく、人類の歴史を様々な側面から説明していく。
例えば、狩猟採集から農耕へ移行する条件。植生、野生動物の種類、居住していた大陸の形。それらがもたらした伝染病。趨勢を決めた鉄製の武器や銃器の利用。

大きなスケールの歴史が早いテンポで描かれていくので読んでいて飽きないし、ページを繰る手が止まりません。

著者の考え方を理解するだけであれば、上巻だけでも事足りるかとは思います。下巻は個別事例に当てはめていくことがメインですので。

『銃・病原菌・鉄』上下巻セット/Amazon Kindle版

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